2025年4月   「防災塾・だるま」 塾長 鷲山 龍太郎

「防災塾・だるま」の創設防災まちづくり談義の会200回のあゆみ

「防災塾・だるま」が発足したのは、阪神・淡路大震災から11年を経た2006年のことです。本塾は、都市型自然災害の現実に正面から向き合い、ハードとソフトの両面からの対策が必要であるという、神奈川大学荏本孝久教授の理念に基づいて設立されました。
この理念に共感した会員たちは、学びを深め、共有し、その発展と継続のために日々尽力してきました。防災塾・だるま発足の経緯については、『防災まちづくり談義の会100回のあゆみ』をご覧ください。

主な災害への対応

以来、「防災塾・だるま」は数多くの災害に向き合い、対応してきました。そして東日本大震災、熊本地震、西日本豪雨、能登半島地震など、さまざまな災害に関する知見と経験を積み重ね、蓄積してきました。こうした活動の中で、私たちは常に「実践知」としての防災を探究してきました。

防災まちづくり談義の会200回記念を迎えて

2024年11月、「防災まちづくり談義の会」は記念すべき200回を迎えました。これを機に、会員アンケートや有志による発表を通じて過去の活動を振り返り、その叡智を集約する機会としました。また、これまでの歩みを振り返るとともに、今後の防災まちづくりの展望を共有する貴重な場となりました。

防災庁設置準備室の設置と重なるタイミング

奇しくも同じ2024年11月、石破政権の提唱により「防災庁設置準備室」が発足しました。
その基本方針には、「防災塾・だるま」の理念と通じる部分も多く、大きな期待を寄せています。

今後の展望

「防災塾・だるま」では、地域での活動、被災地支援ボランティア、専門家による災害への多角的な考察など、多様な視点から防災に取り組んできました。今後もその知見を集約し、防災庁設置に向けた具体的な指針に反映させていきたいと考えています。

その一環として、2025年4月には提言書を定例会にて取りまとめ、合意形成の上、防災庁設置準備室に提出する方針です。
こうした活動を通じて、「防災まちづくり談義の会」200回分の学びが、2026年の防災庁創設に向けた具体的な提言として結実することを目指しています。

謝辞

本アーカイブを振り返るにあたり、本会を創設し導いてくださった荏本孝久名誉塾長、ご助言いただいた顧問の皆さま、貴重なご講義をいただいたすべての講師の皆さま、多大なるご努力をいただいた池田邦昭元副塾長はじめ歴代の役員の皆さま、そして共に活動を支えてくださった全ての会員の皆さまに、心より感謝申し上げます。

能登半島地震 地盤隆起した漁港にて 

東日本大震災 石巻市立大川小学校跡にて ここで起きた事実と犠牲者の声なき声を未来の防災につなぎたい